【疑問】仏教は廃れている?栄えている?

期末レポートのテーマが「日本の宗教に関することについて」という

ウルトラハイパー曖昧模糊な内容だったので

昨日の晩ウンウン悩んでたところ、疑問が出ました。

 

「最近のテレビとかマンガにはお坊さんが出てくるのに、

どうして仏教の市場は縮小しているんだろう」

 

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去年の夏に鎌倉で撮った写真です。

 

仏教の市場が縮小していると言ってもピンと来ないかもしれません。

が、多くの地方寺院が経営難に陥って廃寺が進んでいることは事実です。

現在約7万7000の寺院があると言われていますが、

住職がいない寺院(無住寺院)は2万、

さらに一切の宗教活動を停止している不活動寺院は2000か寺あります。

 

(住職がいないなら寺院は不活動なんじゃない?と疑問に思うかもですが、

他の寺院の住職が掛け持ちして、年に1、2回空き寺に行って、

宗教活動を行っているためこの場合活動しているとみなされます。)

 

ではどうやって地方寺院は消滅するのか。

①地方在住者が大都市圏へ多く移り住む

②寺院は檀家を失い、経営難に陥る

③寺を運営できなくなりお坊さんは別の寺の元に行くか働き始める

④お坊さんに去られたお寺は、運が良ければ他の住職の管理下へ

⑤誰にも管理されない場合そのまま廃寺

 

こんなプロセスを辿ってお寺はなくなっていきます。

 

大都市圏への人口流出は日本創成会議のレポートに詳しく載っています。

http://www.policycouncil.jp/pdf/prop03/prop03_1.pdf

(レポートは寺院の消滅ではなく、

地方自治体の消滅可能性に焦点を当てています)

 

そんな地方の寺院の衰退をリアルに描いた本があります。

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鵜飼秀徳著『寺院消滅 失われる「地方」と「宗教」』

去年出版された本ですので、本屋に行けばまだあるかと思います。

この本の秀逸さは、住職や僧侶への取材によって地方寺院の危機を

現実問題としてわかりやすく読者に伝えている点です。オススメです。

 

さらに葬儀の形態も大きく変化しています。

最近は直葬と呼ばれる、通夜や葬儀を行わず

火葬場に直接遺体を持って行ってお坊さんにお経あげてもらう

ケースが大変多いそうです。

原因を話すと長いですが、明治時代に行われた廃仏棄釈以降の

仏教の俗化に人々が失望ていることと、高額な葬儀の費用がメインです。

 

 

でも本当に最近のことですが仏教が身近になっている印象もあります。

テレビ朝日では「ぶっちゃけ寺」という番組が毎週放送されてますよね。

この前ドラマでやっていた「5時から9時まで」は

お坊さんを演じる山下智久さんが英会話教師の石原さとみとのラブストーリー。

しかもそのドラマはもともとは少女マンガ。

今の仮面ライダーゴーストが使う技?には空海で有名な密教

使用される梵字が登場します。

女性の方は特にご存知かもですが、断捨離(起源はヨーガ)もブームでしたよね。

今アマゾンで整理整頓の本を検索するとお坊さんが書いた「心が整う〜〜」

とか「禅の教え 掃除による〜〜」みたいな本がうようよしてます。

さらに東京の四谷には坊主バーが出来て、現役の若いお坊さんが

カクテルを作ってくれてしかも人生相談に乗ってくれます。

 

これを仏教ブームと言わずして何と言いましょうか。

 

これはだいぶ面白い現象ですよね。

だって片や消滅寸前、なのにブーム到来。

このアンビバレントはなぜ起こったのでしょう。

 

消滅の傾向はほぼ止められないものだと思います。

しかしブームというのは必ず火つけ役がいるはずです。

 

僕が思う仏教ブームの原因は

①「単に面白いコンテンツとして取り上げられた」

「ぶっちゃけ寺」を見たくなる気持ちは、動物園で動物を見たい気持ちと同じかな

と思います。あとはお坊さんに対するお金持ちなイメージだったり、ちょっと

普通の男性とは違う生き方をしているところが身分違いな恋を演出している

のかなと。どちらにしてもクリエイター側が消費者に仏教をコンテンツとして

価値の提供をしていると思います。実際マンガやドラマに登場するお坊さんの

姿は現実とはかけ離れています。「5時から9時まで」の山Pのお寺はめちゃめちゃ

でかいですし、家政婦さんまでいました(笑)やはりこれは一時的なブームで

過ぎず、消費者に飽きられたら終わりだと僕は考えています

 

②「ストレス解消や精神の安定を求める人々への解決策として取り上げられた」

仏教がカウセリング的役割として期待されているのではないか。例えば高齢者

向けの僧侶になるための講座が開講されるなど、寿命が延びたことで将来を

考える必要ができた。また核家族化が進行したことで相談役を家族以外に求める

ようになったのではと考えています。これも以前のDr.コパのブームみたいな

感じで、一時的なものかもしれませんが。。。。

 

僕の父方の祖父母の家は、お盆になると提灯を持ってお墓に

ご先祖さんを迎えに行って家まで連れて帰って。

お盆の最後はまたお墓まで案内して。

もうこういうお盆は絶滅してるんでしょうか。。。。